〜婚約の利用・中・〜
半強制的に放課後跡部の車に乗せられた。
途中でよくわからないマンションに降ろされて跡部家のメイドさんらしき人に着替えさせられて又車に乗せられている。
そんな私の機嫌は最悪以外の何者でもない。
「これって拉致って言っても他言じゃないんじゃない?」
「・・・同意した上だ」
微妙な間があった上あっさりと嘘を吐かれた。
「同意した覚えなんてまったくないんだけど」
「今日あいてるっていっただろ」
この自分中心者には何を言ってもかなわないらしい。
私はこれで抵抗する事の無駄さがわかり質問を変えることにした。
「なら何処へ行っているの?」
「俺の家だ」
「何をしにいくの?」
「・・・・」
そんなところで止められても困る。
本当に予想なんて当てにならない人達って事はわかっているけれど今回は予想も何も無い。
ただわかることは。
跡部の表情は固くなるばかりであることだけ。
――――――――――――――――――――――――――( 跡部 )
さっきに今日開いてるか聞いたことはほとんど無意識だったしと出会ってから一番の失言だったかもしれない。
最初は巻き込ませる事は避けようとしていた。
の家は異常そのものだ。
世間から見たら1事件にだってなるだろう。
だけど俺たちの家柄も異常だ。
先々の事ばかり見ていて失敗したら二度と戻って来れない。
常にその場をキープし続け、自分の得になる事はなんでもする・・・そんな奴ら。
はまず常識的なことを知るべきだ。
いままで常識と思っていた事が非常識だと言う事を認識させるべき。
だけどの変に意志の強い瞳。
俺はこの瞳に乗せられたのかもしれない。
―――――――――――――――――――――――( 鳳 )
先輩も跡部先輩もいない部活ではどこか抜けた雰囲気だ。
そのうえ正レギュラーの俺たちも二人の事を話していて練習にならない。
(というか向日先輩が一人で騒ぎ続けている)
「なぁ、やっぱり行こうぜ!!」
「どこにや?」
「達のとこ」
「何処にいるかわかんねぇのに」
「う・・そうだけど探せば・・・」
「見つからなんやろ?まったく見当ないんやし」
話の行き先は永遠につかない。
平部員たちも誰も何も言わないのをいい事にいろんなところで話し込んでいる。
向日先輩が又何か嘆きだしたからそっとその場を離れると気になる話が耳に入ってきた。
「跡部先輩が今日休んだってことはあの噂本当なのかもな〜」
「もしかして相手は先輩だったりしてな」
「まぁこんな日に二人揃って欠席だしな」
その話主を見ると名も知らない1年。
「あのさ」
近づいてその1年に後ろから声をかけると怒られると思ったのか「あっ」と小さく言ってバツの悪そうな顔をした。
(1年前の俺もこんなんだったんだろうか・・・)
「別に怒るつもりは無いから。あのさ今の話詳しく教えてくれない?」
その後たどたどしくその1年生は説明をしてくれた。
その内容は俺を驚かし、ありがとうとその場を離れた後はもといた忍足先輩たちの元へ急いだ。
「忍足先輩、今凄いうわさ聞いたんですけど」
そう言ったけど忍足先輩は向日先輩をなだめていたらしく返事をしたのはのんびりした声のジロー先輩。
「どうしたの?」
そのゆっくりした声を聞いたら少し落ち着いてきて一呼吸おいてさっき聞いたことをそのまま口にした。
「今日、跡部先輩の婚約パーティがあるそうです」
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〜・あとがき・〜
あははは・・・。
やっぱり中学生でこのテーマは駄目でしょうかね・・?
でも絆の中の跡部家はこんな感じー。
はい、これは跡部ドリではないですよ。あくまでも。。
ただ今回は跡部メインってだけです。。。
まぁ、さらっと次へ行っちゃってください。。
04.3.21