〜結論へのスタート〜
「で、どうなったの?」
朝、学校へ行ったら最初の一声が周助のこれだった。
一緒にいた海良はその言葉に眉を寄せている。
まぁ、挨拶よりも先にこれだしね。
「とりあえず説明はできると思うから・・・皆は部室?」
説明はできる。
これは私の進歩だと思う。
皆に対する信頼があるから。
だけど・・・
結論はいえない。
散々考えたけど結局何も出せなかったから。
これは私の進歩しないところ。
それでも、焦りは無い。
これから見つけていける気がするから。
部室に行くとなんだか痛いほど視線を集めた。
しょうがないとは思うけどなんとなく変な感じがして居心地が良いとは思わない。
だからさっさと話すことにした。
「ちょっとややこしいかもしれないけど・・。あのね・・・・・」
同時刻。氷帝学園男テニ部室。
――――――――――――――――――――――――――――( )
「で、何が知りたいの?答えられる事には答えるけど」
朝から岳人に引っ張られて部室に強制的に連れられた私は若干機嫌が悪い。
(っていうか岳人のあのテンションに朝からついていけないわ)
そして海那がその様子を見て笑っているのも気に障る。。
「とりあえず、とどういう関係なん?」
最初にいったのは侑士。
本来なら跡部あたりが言うかと思うけど跡部には昨日(というか今日の明け方)電話で説明していたから黙っていた。
「海那はの双子の弟よ」
「ちなみに今青学にかよっている海良はの双子の兄だぜ」
付け足したのは海那。
みんなの反応は様々だったけど岳人なんかは
「えー!!!!!」
って叫んでいて煩い。
「なんで氷帝に来たんですか?」」
こういう鋭い質問をするのは鳳。
一瞬私が黙って口を開こうとしたら先に海那が言ってしまった。
「親と呼ぶべき人に追い出された」
3人の親は私やのことはものすごく嫌っていたけど海良達のことは好きだったみたいだった。
だけど結局私達が居なくなったら八つ当たり相手は海良たちに廻った。
私でも驚いたのだから皆はシンと静まり返った。
まぁしょうがないか・・。
非常識の域を超える勢いなことは私でもわかる。
「まぁだから今は4人ですんでるから。説明はこれくらいしかないわね」
そう言ったものの誰も何も言わない。
重い沈黙。
こういう雰囲気は誰だって好きじゃない。
特に――――――――
「まぁそう言うことだから。昨日は騒がして悪かったな。じゃ俺は教室もどるから」
そう言ったのは予想どうり海那。
海那はなんだかんだ言って強がる事を武器にして生きてきた。
海良はなんでもさらっと流すように。
や私は無で。
だから雰囲気で一番弱いのは海那。
でもそのおかげで私たちも普段の部活に戻った。
いつもどうりにするように心がけて。
――――――――――――――――――――――( 周助 )
の話を聞いて勿論誰一人そうなんだって受け居る事はできなかった。
僕だって表面上は普通にしてても驚いた事は確かだし。
だけど何を聞く事も言ってあげる事もできないから普段どおりをしている。
の気持ちとか絶対僕たちにはわからないと思う。
だって僕達はじゃないしと同じ経験なんかしていないから。
やっぱり一番近いのはで。だけどだからといって二人が同じ気持ちとは限らない。
だから安易に言葉をかけることはできない。
それでも僕たちはの気持ちを想像して一番いいと思う方法を取っている。
勿論それも皆違う形だけど。
手塚みたいに普段通りをしているのも英二みたいに海良に積極的に話し掛けてるのも。
僕は手塚みたいに普段どおり。
だってその相手に合わせて頑張ってるのはわかったしこの先の事はわからないけどいい方向に行けばいいと思う。
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〜・あとがき・〜
これで「二人の転校生」から1段落です。
どんどんややこしくしていってすみません。。
またここから日常的なことを書いていく予定です。
そして大きな事件が1つ起きるかと・・・。
03.3.16