― 辞めれない約束 ―










 朝練の時は忘れてたけどそういえばわたし忍足君と同じクラスだ。

 しかも席は忍足君の後ろ。

 いままで気にした事無かったから(っていうか他の平部員とかとしか喋らない)わすれてた。



 やっぱり怒っているみたいで、まぁ当然だけど。

 プリントを渡すのにも振り向かない、と思えば休み時間は少しはなれたところからにらまれてるみたいだし・・。

 本当には気に入られてるんだなーって思う。

 それは従姉妹としては嬉しい。

 なんだかいつも友達ができないっての親が嘆いていて私に友達になってねってよく言っていた。

 

 

 「ーこいつ怪我してんのに部活出るって行って聞かないんだぜー」

 ふと横から話し掛けられた。

 平部員の岩崎に井手に永島。

 どうやら怪我をしてるのは井手らしい。


 「何処怪我してんの?」

 「さっきサッカーの時に転んで変に手ついたらしくってさー保健室行ったら軽い捻挫してるって」

 「別に平気だって」


 岩崎の説明に井手が口をはさむ。

 
 「ってさっきからこの状態なんだぜ。何とか言ってくれよ」


 この3人のまとめ役は永島。


 「井手休めばいいじゃん、無理されるとこっちが迷惑ー」

 冗談っぽく返してみんな笑ったけど岩崎とかもの言うとおりーとか言ってる。

 井手も

 「に迷惑かけると後が恐いからな〜」

 とかなんだかんだいって納得したようだ。


 「はいはい、本当に迷惑かけないでよ?あ、でも私も今日部活いかないから〜」


 ノリでいってみたけどそう簡単には流してくれなかった。



 「なんで?サボりかー?が休むなんて雪が降るぜ!」

 「あはは、まぁそう言うことだからけが人とか出すなよ〜」

 
 跡部部長から言われたら逆らうわけにはいかないし・・・。

 本当は今日だけじゃなくて多分もう行くことはないって言わなきゃいけなかったけど言えなかった。

 この部は大きい。

 だからその時の雰囲気を壊すような事をしたら本当にぐちゃぐちゃになりかねない。

 男子ばっかだからキレると手におえないし・・。

 ややこしい事は嫌いだから後回しにして。

 やな性格ーって自分で思う(苦笑)



 「あ、じゃ俺ら戻るなー」

 「はいはい、早く静かにしてください」


 最後まで笑って過ごせた。

 別にそれはたいしたことが無いと思うけど実は今忍足君以外にも他のレギュラーの人もこの教室にいてさっきから視線を感じていた。

 面倒な事は嫌いなんだけどなー。

 
 小さく溜息をついて席を立って正レギュラーの人達のところへいった。







 「なにか用?」


 そんな可愛らしいものじゃないことはわかってたけど他の聞き方なんて思いつかない。

 そんなことを考える事自体めんどう。

 同学年だから敬語っていうのも不自然だし。



 「次の時間サボって屋上へ来い」


 そう偉そうに命令したのは跡部君。(命令だから偉そうなのは当たり前か・・)

 この重々しい空気が伝わってるのか普段は騒ぎまくってる女の子たちも幾分か静か。

 
 「なんで?私、数学は好きだからサボりたくないんだけど」


 別に数学じゃなくてもたいていの授業はサボりたくない。
 
 受験生という言葉に関係の無い跡部君とかは気にしないんだろうけど私にとっては重大問題。


 「俺の言う事が聞けないのか」

 「なんできかなきゃいけないの?」



 ・・・・またやってしまった。思った事をそのまま口にしてしまった・・・。


 そう思ってもすでに遅し。

 その険悪なムードのまま教室にいるのは私も嫌だったから跡部君達の言う通りにする事にした。














 「それで何?」

 やっぱりこれしかいえない私は馬鹿なんだよねー、だけど別に私は悪くないと思うんだけど・・・。


 「お前、退部するんだろうな?」

 「・・・・・」

 
 その跡部君の問いに私はすぐに答えられない。

 どうなんだろ?部長に言われたらやめなきゃいけないんだっけ?

 個人の自由だっけ・・・?


 「意思表示ぐらいしろよな」

 「・・・・とりあえず今日はいかないけど」


 宍戸君に言われて一応答えてみた。

 これ以上先はまだ考えてないわけだし・・・。


 「っていうか別にもうこなくていいんじゃね―の?」


 向日君、そんなに睨みながら明るく言われても困るんだけど。。。。

 
 「はっきり言わせてもらうんやけどマネージャーなんてだけで十分やで」


 ・・・・それは違う気がするのだけど、忍足君。

 ってなかなかお嬢様な子だからどっちかっていうとあまり向いてない気がするし・・。

 まぁ、可愛いからいるだけでいいかもしれないけど。


 「辞めるよな?お前いるだけうざいんだよ」


 

 『いままで大して話もした事無いくせに』

 ・・・・違う、そんなこと思ってない。大丈夫、声に出してない。



 
 「それは・・・」

 私がとりあえず結論を出して口を開くとそれこそ視線が強くなった。


 「自分で決める事だと思うから辞めないよ。せっかくここまで続けてきたわけだし・・・」


 全員が驚いたように目を見開いてそのあとすぐに怒りが目に出てた。

 
 「んだよ!お前!!」


 向日君がそういってそれとほぼ同時に向日君は私の頬を叩いた。

 グーじゃなくてよかった・・・。

 ちょっと突然の事に痛みより驚いた。

 
 「岳人、ちょっと落ち着け」


 宍戸君はそう言って向日君を抑えた。

 だけど、向日君の一直線な性格だったからいますぐに手が出たわけできっと跡部君たちだって同じ気持ち。

 瞳が一緒だから。






 【 あなたが一緒にいなかったせいよ!!! 】



 ふと嫌な事が聞こえてきた。

 ・・・・大丈夫、まだ。

 ちゃんと抱いてるから。



 「このこと他言すんなよ」


 跡部君がそういって全員出て行った。

 確かに向日君が手を上げた以上状況は跡部君たちのほうが不利だしね。

 まぁ他言する気なんてサラサラないけど。


 私はきっと赤くなってる頬を見られるのは困るので屋上に一人残った。






 辞めるわけにはいかない。














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―・あとがき・―
なんかー痛いね・・・・。
がっくん、手を出しちゃったし・・・。
【 】の中の言葉はヒロインの中にある消えない言葉です。
『 』はヒロインの言葉・・・もしかしたら本音なのかもしれませんね。
辞めれないんです、約束があるから。
幸せになれるといいんですけどね(苦笑)


 03.3.27











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