「それでどうするんすか?」
越前の言葉で俺たちも部屋を後にした。
〜必要な理由・瞳・〜
「のいそうなとこで何処だにゃ?」
英二先輩がしばらくして誰かに聞いた。
特に誰かに聞いたわけじゃないようだ、ようするに全員にだ。
「乾」
部長が乾先輩に答えるように名を上げたけど(確かに正確にわかりそうだし)乾先輩は首を振った。
「は不二並かそれ以上にプライベートのデーターが無い」
確かに不思議な人とは思っていたけど乾先輩もデーターを取れないほどとは・・。
でも、今更ながら俺だって先輩のこと学校意外では何も知らない。
家の話とかする時もかならず先輩絡みだったし。。
「・・・不二、お前は何か知ってるんだろう」
そんなことを考えていたら今度は不二先輩を指名した。
・・確かに不二先輩は何か知ってそうだ。
どこか先輩に似ているところがあるから。
「何処・・って言うのは分からないよ。だけど、人並みがあるとこには行かないと思うよ」
「人がいないところ?そんなのいっぱいあるじゃん!」
英二先輩の意見に俺もうなずいた。
・・・情報がなさすぎる。
「結局俺たち路頭に迷ってるんじゃないんすか?」
越前の冷静な言葉が沈黙を招いた。
「はみつかったの?」
そんな時、背後からその沈黙を破った人がいた。
「先輩!?」
そこにいたのは先輩と氷帝の人たち。
てっきり先輩と先輩は一緒だと思っていたからどっちか見つかったらいいと思っていた。
だが、そこには俺たちが探している人の姿は無かった。
「その様子だと見つかってないみたいだな」
「だね〜」
氷帝の人たちの態度に俺たちはむかついた。
だけど、今はそんなことしている余裕も無い。
「、何処に居るか知らない?」
こんな時も冷静に聞くのは不二先輩で(お約束のように)
俺たちもその答えに耳を傾ける。
「あなたたちには当ては無いの?」
意図的にか無意識なのか先輩がじらす。
でもその瞳は真剣で、よく試合中に感じる試されてる感じがする。
俺が気付いたんだから不二先輩も当然のように気付いていて見たら開眼していた。
「無いよ」
「まぁ、そう思ってきたのだけどね。言っとくけど、責任取れないなら場所は教えないわ」
たまに、先輩も先輩のことになるとこんな瞳をしている気がする。
互いが互いに守りあってる。
だけど俺たちだって軽い気持ちで先輩を探してない。
それが表情に出てたんだろうけど、先輩はちょっとだけその瞳を緩めて口を開いた。
「あなた達がよくいる場所よ。そこにいなかったら・・・もうひとつは見当がつくんじゃない?」
俺たちがよくいる場所。
学年もクラスも違う俺たちが一緒に居る場所といったら
『テニスコート』
悪いとは思ったけど適当にお礼を言って俺たちは学校へと急いだ。
「いいのかよ、取られても」
「先に離れたのは私だから何も言えないわよ」
「は青学の人も信じてるのー?」
「ん、その前にを信じてるわ。それにそんなにやわな関係じゃないしね」
先輩に言われたようにテニスコートに行ってみたけど先輩らしき人は居ない。
というより、部活が休みだから誰もいないガランとしたコートがやけに寂しく見えた。
「居ないにゃ〜・・もう一つのとこで何処・・?」
「でも、この近くじゃないんっすか?先輩のいいかた的に」
本当はここにいないことを知っていてここにつれて来た様な気がする。
やっぱり試されてる・・。
全員いろんなところを考えているようだったけど誰も何も言わない。
俺だっていろんな所を考えてみたが考えれば考えるほど分からなくなってきて混乱してきた。
そんな時。
「屋上・・じゃないかな」
大石先輩のその言葉で全員が目を合わせた。
考えるより行動を起こす、そういうメンバーが多いから(俺もそうだし)今度は校舎へ向かった。
カチャ
簡単に開いた屋上への扉。
その先には俺たちが探していた人、先輩の後姿があった。
〜・あとがき・〜
そんなわけで、必要な理由が動き出しました。。
今更青学がかけなくて困ってますー。。
好きなのに〜!
3―6ばかりメインになっちゃうので気をつけてみたんですが・・。
やっぱりラストはあの方が飾るようです。。
2004.1.30