惑わされるのよ。
だから不安になるの。
だけど安心にもなるの――――。
〜一線ひくか深くふみこむか〜
のこととかがわかって5日がたった。
僕はのある行動が気になっていた。
それは、昼休み以外の休み時間、いつのまにか教室からいなくなっている事。
そのせいで、僕のみている限りではそんなに女友達がいないみたいだった。
そして僕は休み時間、の後をつけていった。
英二にばれないように。(英二がいたら騒がしくてすぐにばれる)
が向かったのは誰もいない屋上だった。
屋上に着くと正面を見たままこう言った。
「周助、出てくれば?」
ちょっと驚いた僕と、やっぱりわかったかと思う僕がいて可笑しかった。
「なんだ、ばれてたんだ。」
そう言って僕はの隣に座った。
「まぁ、ね」
はそう答えるとゆっくり目を閉じた。
静か。
遠くで生徒の声が聞こえるけど。
静かだった。
「それで何か用があったの?」
が聞いてきた。
「いや、ただが休み時間どこに行ってるのかと思って。」
「あれ、気付いてたの?」
「まぁ、ね」
さっきのをまねして言うとが笑った。
「なにしてるの、ここで?」
「なにもしてないよ。」
「それじゃ、何でここに来たの?」
「さぁ?」
僕の問いをはぐらかしていく。
「あえていうなら、落ち着きに来てる・・・かな」
落ち着きに・・か。
教室にはいっぱい人がいて。
楽しいクラスメートだけど。
たまに嫌になる。
理由を聞かれたら答えられないけど。
「僕も・・・教室じゃ落ち着かないかな」
いろんな人の声。話。
聞いてるばかりで自分を見失うような事があるから。
落ち着いて、自分を見つける。
はきっと、自分を見つけに来ているんだ。
「一線ひいてるほうが楽で好きよ、私は」
が僕が考えてた事を知ってるかのようにこういった。
そう、深くふみこまないほうが楽。
だけど英二達とも?
そう聞かれると。
もうとっくに深くふみこんでる事に気付く。
「うん、そうだね。でも、英二達に一線ひいてたら、もったいない気がするよ」
「・・・周助って私の考えてる事知ってるみたい。」
苦笑いを浮かべてが言った。
「っていうか、僕とは考えてる事が似てるんじゃないかな?」
「そうかな?」
「僕も・・・は僕の考えてる事を知ってるみたいだって思ってたから」
「・・・にてるかも・・ね」
は警戒心が強いと思う。
いつもいつも笑っているけど・・・。
本当の笑顔じゃない気がする。
といる時に見せた笑顔のほうが本物だと思う。
だからには。
「はさ、には一線もひいてないでしょ」
「えっ・・・は・・もうそういう問題の人じゃないのよ。わたしにとって」
確かに二人は姉妹。
一線ひくわけがないけど、それが異母姉妹だと僕にはわからない。
それにこの二人は異母姉妹・・って言うだけで繋がってはいないと思う。
「さ、転校してきた日と今で違う事ってわかる?」
約一週間前だ。が転校してきたのは。
「・・と一緒に住みだしたこと・・かしら?」
1週間ではきっと生活が大きく変わった。
と会って一緒に住むようになったことが一番変わったことだ。
だけど。
「それもあるけど、言葉づかいが変わったよ」
言葉使いがと同じになってきた。
別に僕たちも出会って本当に少しだけど、よく喋った僕にはちょっとした違和感があった。
「そうかしら。やっぱりと話しているとそうなるのかもしれないわ」
「うん」
「やっぱりとは一線ひいたりしてないから・・よね」
そういったは何か考え出したみたいだったから、僕も何もいわなかった。
しばらくしてはなりの答えを見つけたんだと思う。
だって―――――。
「ねぇ、周助」
「何?」
「次の休み時間は英二と一緒に喋ろうかな」
「うん・・・そうだね」
〜・あとがき・〜
周助視点。
周助って、なんだかふつうの人には、必要以上に一線ひいてる気がする。
人の事言えないぐらい、警戒心が強い気が・・・。
まぁ、そんな感じで、書きました。
〜一線ひくか深くふみこむか〜。
これは、普通に私たちでもあることじゃないかと思います。
深くふみこむ人ばかりじゃ駄目だと思うけど、深くふみこむ人は、
必要かと、私は思う。
ちょっとした、ヒロインの成長。
ちょっとした事だけど、きっと大きく変わった・・・はず。
2部の始まりです!