会イタイ。大切ナ大切ナ私ノコトヲ一番ワカッテル人。
 


 デモ今度ハ。幸セニナッテ。


 二人トモ幸セニナッテ・・・・。








 

         〜再会〜
 
 鳳と二人で音楽室に向かっている途中、落し物を見つけた。

 
 2回の廊下を歩いている時、ふとが窓から中庭をみると。

 木の陰に一人の男の子が寄りかかっていた。

 顔は角度的に見れないが。



 「・・・鳳、あの人なにやってるの?」

 今は放課後だから、部活があってるし、帰宅部だったら帰っているはずだ。

 なのに何もしないで、中庭にいる彼がなぜか気になって、とりあえず鳳に聞いた。


 「え?どのひとですか?」

 「ほら、あそこ。木の陰にいる人」

 
 そういわれて鳳も窓から外を見る。


 「・・・あぁ!ジロー先輩!!」

 「え?」


 外を見るなり声を上げた鳳には驚いた。

 だって、絶対顔が見えないから。

 そして、鳳が「ジロー先輩」と言った事に引っかかった。


 「・・・男テニの人?」


 さっき鳳が教えてくれた人の中に慈郎と言う人がいたのをは忘れていなかった。

 
 「はい、ジロー先輩も呼び出されているのに。また放送聞いてなかったんでしょうがね」



 鳳の顔に苦笑いが浮かぶ。

 それと同時にには疑問が浮かんだ。


 「また?」

 「ジロー先輩はいつでも何処でも寝れる先輩なんですよ。今も寝てるんです」

 「・・・・・そう」

 (絶対、男テニの正レギュラーはおかしいわ)


 「あの先輩、一回下に降りてジロー先輩も一緒に行っていいですか?」


 鳳がに聞く。

 も彼がこないと早く帰れない気がしたから、すぐに賛成した。






















 「ジロー先輩、ジロー先輩!!」

 鳳が慈郎の方を揺らしながら呼ぶ中、は初めて彼の顔を見た。



 気持ちよさそう。


 それが、慈郎に対してが持つ第一印象だった。


 「ん〜鳳〜〜?」

 未覚醒の慈郎は、ゆっくり目をこすりながら、起こした人の名を呼ぶ。

 「大丈夫ですか?さっき、榊監督から呼び出しかかってましたよ」

 「監督〜?なんで?」

 「さぁ、俺も良くわかんないんですけど」

 「そっかぁ、それでどこにいくの?」

 「音楽室です」

 
 ふんわりした人。。。

 二人の会話を聞いては思った。

 
 「んじゃ、いかなくちゃね」

 そう言って立ち上がった慈郎は初めての存在に気付いた。

 「あれ〜?」

 首をかしげながら慈郎はを見ながら言う。

 「あ、えっと」

 は今までは初対面の人には表情を見せなかったが、(愛想も)慈郎の雰囲気のせいか若干まだましだ。

 「さんだぁ」

 名前を名乗ろうかどうしようかとしていたの前で慈郎は、彼女の名を呼んだ。

 「・・どうして私の名前を知ってるの?」

 しかし、はそんなに驚かずにこたえた。よりも鳳の方が驚いていたし。


 「今日、転校して来た人でしょう?宍戸が言ってた」

 「えぇ、そうだけど、どうして聞いただけで私だってわかったの?」

 「だって、3年でそんなに新しい制服着てる人なんていないよ」

 
 鋭い。

 鳳ももきっと思った。

 話し方はふんわりしてるし、雰囲気もそうだけど、観察力だけは凄い。

 しかし、
 
 「そっか、それで。あ、じゃぁあなたの名前教えてくれる?」

 はそんな風に思ったそぶりを見せないで慈郎に言った。


 「俺、芥川 慈郎。ジローって、皆呼ぶから、ジローでいいよ」

 「わかったわ、私のこともでいいわ」

 「うん」








 そんな自己紹介もほどほどに、3人は並んで音楽室へと向かっていった。









音楽室に行くと、もうすでに他の正レギュラー達は集まっていた。

 そして、たちが来たすぐ後に監督が来て達の前に来た。




 (ぎりぎりでしたね)

 (そうね)


 鳳とがこそっと話す。

 そんな二人を横目に、景吾が口を開いた。






 「監督、なんですか?」




 それはここにいる全員の疑問だった。




 監督のその問いに対する答えは―――


 「さっき、女子生徒から聞いたんだが、はマネージャーになったのか?」

 

 みんなの視線がに集まり、そして一部は侑士にむく。

 
 「私はマネージャーになったなんて一言も言ってませんが」

 しかしレギュラー達の視線も気にせず、は・・無表情でこたえた。


 「しかし、他の教科の先生たちからも聞かれる始末なんだが」

 「その理由は・・忍足に聞いたらわかると思いますけど」

 そのの答えで、監督の問いに答える者が変わる。

 
 「どういうことだ、忍足」

 「俺はにマネージャーをやってみいひんかって言っただけなんですけど」

 
 その侑士の答えに監督は少し黙り、にとって最悪な事を言った。

 「、忍足の言うとおりやってみないか」

 「えっ!」

 「ここまで噂になったのに違うといってもあまり信用がない。それに、他の部員たちも混乱するだろう」

 「・・・・(そんなものなのかしら・・?)」

 「どうだ、

 こんどこそ、全員の視線がにむく。

 
 

 ( 本当は断りたいんだけれど、なんだろ・・やらなくちゃいけない気がするのは気のせい・・?)


 「・・・続くかどうかはわかりませんよ」

 「続かなかったらやめればいい」

 「それでいいなら、私は構いません」

 
 そのの答えに、正レギュラーはさまざまな思いをもった・・・。


 
 「わかった、以上だ。行ってよし」


 その監督の言葉に全員音楽室から出て行く。














 「おい」

 なぜか全員でばらばらになることなく廊下を静かに歩いていた時、景吾がに話し掛けた。

 「なにかしら」

 「なんで、マネージャーになった」

 「べつにいいじゃない、なったらいけなかったの?」

 「そういう意味じゃない」

 「じゃぁ、どういう意味かしら?」

 「・・・」

 お互い顔も見ないで話すので、空気が恐い。


 「何で俺の言った事にしたがったんや?」

 黙った景吾の代わりに口を開いたのは侑士だった。

 「従った訳じゃないわ。なんとなく・・よ」

 「らしくないなぁ」

 「・・・貴方にらしくないなんて言われる筋合いはないはずだけど」

 
 そう思ったのはだけじゃなかった、他のメンバーも。

 



 「こんな年齢から一人暮らししてるんやろ、一人でいるのが好きそうやけど」





 この言葉を聞いては侑士のほうを向いた。



 「何でお前がそんなこと知ってんだよ」



 しかし、言葉を発したのは景吾が先だった。







 「俺が801やから」

 「・・・?」


 「ようするに・・あなたお隣だったのね」

 侑士の言葉の意味がわかったのはだけだったようだ。


 「私の家は802だからあなたお隣なんでしょう?」

 「当たりや」

 
 
 偶然、そう偶然だったのだ。

 偶然は景吾の隣の席になり、侑士の隣に住んだ。

 

 こ わ い ぐ ら い の ぐ う ぜ ん 。






 「なら、私はこれから家に帰って荷物の整理をしなくちゃいけないの。だから部活は明日から出させてもらうわ」

 全員が、二人のつながりがわかった頃(岳人とかは理解が遅いし)はそう言った。

 「あぁ」

 景吾は短く答えて、部室へ、は校門へ向かった。



 


 










 その夜―――


   忍足家のポストには紙切れが入っていた。








 「ねぇ、偶然が重なったから私のことを誘ったの?人をあまり好きそうじゃない忍足君?」











 それを見た侑士は、802のチャイムを押していた。。。



















〜・あとがき・〜
監督難しい。。。
っていうか、樺地の発言はなく、監督が先に喋っちゃった!
・・・まぁいいよね、こういうのも。。(ヲイ
この後、と侑士はどんな話をするんでしょうね(笑
本当はこれで一部終わるつもりだったけど、8話まで1部にする事にしました。
だからちょっと強引なとこもあったけどごめんなさい〜!




 


 

 
 

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